誤診
私はこれまでに8名の精神科医に診てもらった。「名医」と思う医師もいたが、それは1名だけで、残りの7名の精神科医は、私に言わせてもらえば、いわゆる「藪医者」だった。
私の現在の傷病名は「統合失調症」だが、前述した7名の精神科医は、私に「アスペルガー症候群」だの「うつ病」だの、適当な診断を下した。
たしかに、精神科の病気は目で見られないうえに、症状が酷似する場合も多々あるから、先述した「適当な診断」を、一概に「誤診」とは言い難い。たとえば、統合失調症とアスペルガー症候群で見られる「人付き合いの困難さ」は、非常に見分けづらいと本に書いてあるし、統合失調症と双極性障害の「興奮(高揚感)」も診断が難しいと聞いた。双極性障害と正しく診断されるまでに平均して8年もかかるという話は、なるほど、合点がいく。
しかし、明らかな誤診の場合もある。だいたい、私をうつ病と診断したY先生は、私にうつ病と診断しておきながら抗うつ薬を一切処方しなかった。これは未だに謎だ。
また、私を不眠症と診断した別の医師が、私に抗精神病薬(ミラドール)を処方した理由も解明できずにいる。
もちろん、精神科医療に「この病名にはこの薬」というセオリーがないようなものという知識は、素人の私にも少なからずある。しかし、うつ病と疑うのなら抗うつ薬を処方するのが一般的だし、百歩譲って例のY先生が私を「もしかしたら、双極性障害かもしれない。安易に抗うつ薬を処方して躁転したら拙い」とでも考えたとしても疑問が残る。そのような場合なら、リーマスやデパケンなどの気分安定薬を処方するはずだからだ。
もしこの記事を医療従事者が読んでいたら、さぞや私を馬鹿にするだろう。素人が何を偉そうに、とね。でも考えてみてほしい。
理由は二点ある。まず、精神科に20年も通院していれば、いくら素人とはいえ、ある種の「勘」が働くこともあるし、素人なりに自分の病気について学ぶ(知識を得る)。
次に、薬というものは結局のところ、飲んだ本人にしかわからないものだ。よって、いくら周りで好評の薬でも自分に合わなければ意味がない。そう、薬は「諸刃の剣」なのだ。また、副作用の感じ方にだってばらつきが生じるのが普通だ。
今回の記事は、半ば私の個人的な愚痴のようになってしまったが、精神科にかかるときには、主治医との「相性」はやはり大事である。
誤診を招かないためにも、治療のためにもね。